目次
1 はじめに
科学クラブで人気のネタの一つに「プラバン作り」があります。子供たちが思い思いの絵を描いたり、写したりして、オーブンで温めると小さくなり、世界にたった一つだけのキーホルダーが完成します。なぜ、小さくなるのでしょうか?(今は、100円ショップでセットで売っていますが、以前は、プラモデル屋さんで、0.2mmや0.5mmがそれぞれ売っていました。)
久しぶりの科学クラブネタです。
読んでない方は、不思議なコップ記事を読んでみてください。
2 プラバンとは?
プラスチックの板を略して『プラ板(プラバン)』と呼んでいます。プラバンの成分は、『ポリスチレン』と呼ばれる合成樹脂です。『ポリスチレン』は、『スチロール樹脂』とも呼ばれます。略号は『PS』。
3 なぜ、小さくなるの?
答え 熱で柔らかくなって元に戻るから!
エッ!熱で縮んで小さくなるんじゃないの?もとにもどる?
①熱可塑性
工作用のプラ板などに熱を加えると、縮んで小さくなります。これを利用したキーホルダーづくりは、科学クラブの人気の工作です。プラスチックにはいろいろありますが、この「ポリスチレン」(前出)をはじめいくつかの種類は、常温では変化しにくいが、熱を加えると柔らかくなり、冷やすと硬くなります。そしてまた温めると柔らかくなるという、「熱可塑性」という性質があります。
プラスチックは、高分子と呼ばれるとても細長い分子でできていますが、熱可塑性を持つプラスチックの分子は、熱が加わると分子の結びつきがゆるく動いて変形します。しかし、温度が下がると元のようにしっかり組み合わさって固くなります。
②プラバンの原料を見てみると
プラバンをつくるときは、原料になるプラの塊に熱を加えて柔らかくしてから、機械で引き伸ばして薄い板にします。そのまま力をゆるめずに冷やすと、プラスチックが固まって形が変わらなくなり、プラ板が完成します。
できたプラ板に熱を加えて柔らかくすると、加工前、つまり元の塊に戻る方向に変化します。これが縮んで小さくなる理由です。よく観察すると、縮んだ後は板のときより厚くなっているのがわかると思います。元の塊に近づくのです。つまり、「熱で縮んだ」のではなく、「熱で柔らかくなって元に戻った。」というわけです。
4 作り方
①用意するもの
オーブントースター・割りばし・アルミホイル(オーブンの中より少し小さめ)
固い本2冊・白い紙2枚
②作る順番
1 プラバンに絵を描きます。(絵を写しても構いません。)
2 ペンは油性のマジックを使います。
3 オーブンにアルミホイルを敷きます。(アルミは一度クシャクシャにしてから伸ばします。)焼いた時にくつかないように。
4 オーブンを一度温めます。(20秒くらい)
5 プラ板をトースターに入れ電源をオンにします。
6 中の様子を見ます。
7 1~2分でプラバンが曲がります。その後平らに戻ります。
8 平らになったら電源を切り、開けて割りばしで取り出します。
取り出すときに火傷に注意しましょう!
9 素早く本(ノート)の間に挟みます。(本のインクが付かないように白い紙を間に挟んでから上から力を入れてプレスします。)
③出来上がり
子供たちに協力してもらいました。
オーブンで焼く前のもとの大きさ①
オーブンで焼いた後
周りの枠が元の大きさです!約1/4になりました。
オーブンで焼く前のもとの大きさ②
アラビアのりよりも大きいです。
オーブンで焼いた後
周りの枠が元の大きさです!約1/4(面積)になりました。
アラビアのりよりも小さくなりました。
小さくなるとより上手に見えます。漫画等を写すとこんな細かい線を描いたの?とビックリするような作品に仕上がります。最初に穴開けパンチで穴をあけておくとキーフォルダーになります。
こんなリングもセットで入っています。
5 おわりに
子供たちが楽しみにしているプラバンです。大人の方の指導のもと安全に気を付けて世界に一つだけのプラバンキーホルダーを作ってください。
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